ニートが時事ネタ(仮)

クソニート6ヶ月の僕目線から、日常の話題から事件、政治、サブカルチャーまで、ちゃんこの頭の中を垂れ流します。

待機児童問題の原因と実情

幼児教育といえば、最近は待機児童が問題になったり、詐欺といってもいいくらい酷い保育園もニュースになりました。待機児童の原因として保育士不足が言われていますが何故保育士が不足しているのでしょうか。

数字を使った分析はたくさんの方がされているので、保育士免許を持っていて、彼女が保育士。友人にも保育士多数の僕がリアルな実情を元に考えます。

 1)潜在保育士はたくさんいる

潜在保育士とは、保育士資格を持っていながら、保育士とは無関係の仕事をしている人の事です。保育士の資格取得者は150万人を超えていますが、潜在保育士は2016年時点で、68万人にのぼるといわれています。

僕が保育士資格をとった学校は3年制の専門学校なのですが、同級生の半数が卒業後に保育関係の職につき、現在ではほとんどが潜在保育士となっています。卒業して4年程がたった現在、保育士を続けているのは23名中5名程です。

しかし、そもそも保育関係の仕事に就きたいから専門学校に入学したはずなのに、何故保育士にならないのでしょうか。
僕のクラスで保育士にならない人のほとんどは保育現場での実習やアルバイト、ボランティア活動などで保育士という職業の厳しさ、職場環境の悪さに気付いてしまったからでした。

2)保育現場は普通ありえない不自然な環境

保育士の職場環境ってかなり特殊なんです。人間には好き嫌いがあって当たり前。苦手な人とは距離を置いたりして、日々人間関係を調整していくことが出来るのが人間です。

しかし、保育士は月曜から金曜まで毎日8時間同じ人と仕事をしなくてはいけません。さらに話したくなくても毎日かなりの頻度で話さないと仕事になりません。これってかなり異常な事だと思いませんか?

家族でも毎日8時間も同じ部屋で、顔をあわせて話す事なんてありませんよ。
この特殊な環境の中で、病んでしまい、保育士をやめてしまった人も多数いました。

3)女性の職場特有の雰囲気

現場、保育現場は女性が大多数の職業です。全ての保育園がそうとは限りませんが、他の保育士さんの悪口が聞こえてきたり、実際にかなり陰湿なイジメを受け、やめた友人もいます。やはり良くも悪くも女性特有の雰囲気が必ずあると思った方がいいです。

4)子供を盾に悪質な違法労働を強いる場合も

人間が生きていく中で人生を左右するもっとも大切な期間は幼児期と言われています。その期間に携わる保育士は素晴らしい職であると同時に重い責任を負う仕事でもあります。

しかし、その重い責任を利用し搾取する悪い大人もいるのです。よりにもよって、この幼児教育の現場に。

「新人さん、悪いけどこのおもちゃ買ってきて。うちでは画用紙まで全部実費だから、大変だと思うけどお願いね。」

園の悪質な方針に染まった職員に慈悲の心はありません。その結果、彼女の実質給料はフルタイム働いてなんと月6万円程。

僕だったら即退職。マスコミにリークして血祭りにあげます。でも、保育士さんを志す人ってみんな優しいんですよ。子供の発達に影響するからと、こんな状況でも辞められない人がほとんどかと思います。

決まってこのような会社は代わりが見つからないのに辞められては困ると言いますが、それはすぐに辞められるリスクが高いのに、マネジメント出来ていない経営者の責任です。決して、入社した社員さんの責任ではございません。

ここまで酷い事はまれですが、求人票と実際の条件が異なるなど、辞めにくい環境を利用して、悪質な搾取をする経営者は確実に存在しています。(あくまで一部のお話)

解決するには

①人間関係を考慮したマネジメント

人間関係の問題はどの仕事にもつきものですが、特殊な職場環境を考慮すると、普通の会社にはない人間関係を考慮した職員配置も当然視野にいれるべきです。

②男性保育士の積極採用

家庭では育メン(子育てをする男性)が増えたように、子育てを女性がするものという考えはすでに過去の話です。

となると、現在女性しかいない保育現場は不自然な状態と言えます。この偏った男性比率を少しでも正常化することで、女性の職場ならではの雰囲気はなくなるでしょう。しかし現在運営している保育園でいきなりの実施は困難かと思います。これから開設する保育園で男女比1:1をコンセプトにすると面白いですね。

③悪質な園は淘汰されるべき

保育士資格を持っている身近な人をみると、保育士の人って、仕事を辞めたら、就職がなくなる労働市場弱者だと思っている人が多いです。理由は人それぞれですが、保育の勉強は他の職にはあまり役に立たないからかもしれません。

しかし、冷静に考えてみれば保育士の有効求人倍率(求職者1人あたり何件の求人があるか)は2015年10月の全国平均で1.93。圧倒的に売り手市場です。退職しても再就職に困るような事態はまずありません。

悪質な園に就職してしまった場合、冷静に分析して進退を決断しましょう。ひとり一人の決断によって、悪質な園は労働市場から淘汰されるべきです。

最近話題になったわんずまざー保育園のように、労働者に対して悪質な園は保育の質も低いことがほとんどです。労働者の為だけではなく、子どもの為でもあります。